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[大阪 22日 ロイター] 電子部品・部材各社の間で下期の受注について悲観的な見方が広がっている。スマートフォン向けの部品需要は拡大するものの、液晶関連部材はパネルメーカーが生産調整を継続している影響や世界の景気減速などで下期も需給環境は厳しく、年末商戦に向けた需要期においてもパネル価格の下落は続くとの見方が優勢だ。
液晶パネル関連の回復は来春以降になるとの予想が出ているほか、タイの洪水による業績への影響も見極めにくく、下期の不透明感は強まっているとの指摘が多い。
<年末商戦でもピーク見えず>
村田製作所<6981.OS>の村田恒夫社長は10月末の中間決算会見で、下期の事業環境について「7―9月期は少し回復したが、このまま継続するかについては、どちらかといえば厳しい」との見方を示した。この決算発表で同社は通期営業利益予想を期初予想から下方修正している。
村田の予測によると、同社の納入先全体の今期生産台数はスマホが前期比5割増、タブレット端末が同3倍と拡大するが、テレビは、ほぼ横ばいにとどまる見通し。スマートフォンの好調ぶりとは対照的にテレビ関連の受注は低迷しており、例年、年末商戦向けに受注の最盛期を迎えるという10月でも「ピークが見られないような感じだ。欧米の景気の関係が大きい」という。
薄型テレビ用ガラスを主力とする日本電気硝子<5214.T>は、7─9月期の顧客の生産調整が響き、中間期は減収減益だった。同社は決算発表ごとに次の四半期を含めた累計業績予想を開示しており、中間期の段階では通期予想を公表していない。松本元春取締役常務執行役員は液晶パネルについて、一部韓国メーカーが稼働率を引き上げる動きもあるが「世界的には11─12月は弱含む」との見通しを示した。
液晶パネルの低迷で打撃を受けているのは、部品・部材メーカーだけではない。半導体製造装置メーカーの大日本スクリーン製造<7735.T>は、薄型テレビ向け事業で7─9月期の受注高が27億円と4─6月期に比べ34億円減少した。橋本正博社長は「かつては四半期ごとに100億円を超えていたが、大変厳しい数字」と眉をひそめた。下期以降についてもスマートフォンなど中小型パネル向けの製造装置が中心となり「金額的に大きくなることはない」と厳しい見通しを示した。
<値下げ圧力への対応急務>
米調査会社ディスプレイサーチによると、液晶パネル(32型、蛍光管タイプ)の月次価格は、今年6月の149ドルをピークに下落している。11月は125ドル、12月は124ドル、12年1─4月は123ドルと緩やかな低下基調になる見通しだ。同社は「パネル需要は春先以降、緩やかに回復する」(田村喜男シニアバイスプレジデント)とみており、5月には124ドルと価格が底打ちすると予測する。ただ、その後も7月までは130ドルを割り込む局面が続くと見ている。
韓国液晶パネル大手のサムスン電子<005930.KS>幹部は、10月末の決算説明会で、北米や欧州では10─12月期もTV用パネルの需要は弱含みが続くとみているが、中国では春節(旧正月、12年1月23日)前に、パネル需要が増加するとの見方を示した。実際、米国市場の年末商戦では小売各社がテレビの値下げに踏み切る動きが見られるほか、日本国内でも店頭価格は下落傾向にある。
パネル市況の早期回復が見込めないなか、部品・部材各社に対するセットメーカーの値下げ圧力は継続しそうだ。東洋紡<3101.T>は、連結売上高の約4割を占めるフィルム・機能樹脂部門で、液晶用フィルムの需要が弱くなることで営業減益を見込む。「コモディティ化している」(高橋寛取締役)という同フィルムでは、顧客の生産調整に加え、単価下落もマイナス要因。液晶向けは、受注量・価格の両面で厳しい状況が続くとみており、今後は工業用フィルムではタッチパネル用など「非液晶分野に軸足を移そうとしている」(同)という。
<タイ洪水、影響なお不透明>
タイに進出している部品各社にとっては洪水の影響も下期業績を見極めるうえでの不透明要因となっている。ハードディスクドライブ(HDD)用モーターで世界トップシェアとされる日本電産<6594.OS>は、生産量の約6割を占めるタイ工場が洪水の被害を受けた。フィリピンや中国、タイ国内の取引先の工場などで、代替生産を進めているが、10─12月期のHDD用モーターの同社の出荷台数は7─9月期から約4000万台減少し、約1億台が上限となる見通し。
永守重信社長は10月末の決算会見で「修正の段階はまだ。今でも工場が再開している。そういうことが起きている段階で、安易に通期の予想を修正することはやってはいけない」と話した。中間期の決算発表時点では、グループ全体の通期連結業績予想は前回予想を据え置いたが、今後の動向を見極め「途中で変化があれば修正する」との方針を示した。
車載用LSIなどを手掛けるローム<6963.OS>は、大規模洪水でタイ2工場が操業停止。業績への影響額は現段階で、12年3月期の連結売上高で170億円、連結営業利益で190億円のマイナス要因と試算するものの「はっきり確定していない」(沢村諭社長)部分もあるという。通期業績予想は赤字に修正。同社にとって通期の営業・経常・最終赤字は、大阪証券取引所第2部に上場した83年以来、初となる。
今後の対応については「個々には顧客と調整している」(同)と詳細を明らかにしないが、11年12月中にタイでの生産を再開し、12年2月中にフル稼働を目指す方針。またフィリピン、韓国と日本国内で代替生産を進め、顧客への供給責任を果たす考えだ。
(ロイターニュース 長田善行;取材協力 Jin Hyunjoo;編集 北松克朗)
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